FSTグレードの部品を多品種・小ロットで迅速かつコスト効率よく生産しようとするメーカーにとって、最高水準を満たす実行可能な選択肢が登場しました。Stratasys Origin One DLP方式 3DプリンタとHenkel Loctite® 3D 3955 FSTの組み合わせによる3Dプリンタ造形が画期的である理由をご確認ください。
3Dプリンタを使用することで、最終用途の部品の性能を再現する機能プロトタイピングでも、最終部品の生産でも、時間とコストのかかる金型を必要とせずに部品を製造することができます。また、DLP方式のような高品質で高速な樹脂の造形技術の導入により、新しい製造方法はより多くの用途で経済的に実現可能になっています。
最近までは、高性能材料(UL認定部品用のFST等グレードの材料など)の入手性が低かったのですが、今では、この技術のおかげで厳しい環境に対応する部品へも活用が可能です。
Stratasys Origin® One P3™ DLPプリンタ方式とLoctite 3D 3955 FST材料の組み合わせにより、耐熱性、高精度、表面仕上げ、ULブルーカード認定、航空宇宙向けFST規格を備えた部品を繰り返し製造することができます。つまり、難燃性(FR)という限定的な評価を超えているのです。
DLP方式 3Dプリンティング技術の進化形である当社のP3™テクノロジーは、優れた精度、一貫性、ディテール、機械特性を実現します。
Origin® Oneは、高いスループットとクラス最高水準の再現性により、生産量の増加、市場投入の迅速化、需要の変化への容易な対応を可能にします。
ご存じのように、市場には他にも多くのDLP方式プリンタや樹脂プリンタがあります。信頼性や洗練された設計、直観的に使用できるソフトウェアなどもプリンタを選択する際の重要な要素です。当社のプリンタにもそのような様々な特徴が組み込まれていますが、エンジニアがOrigin Oneを選択する理由は別にあります。
それは、60°Cで造形できる唯一の3DプリンタであるためLoctite® 3D 3955 FSTのような高性能樹脂を確実に使用できるからです。
この唯一の重要な特徴は、認定部品と非認定部品の違いです。
外観プロトタイプとしてのみ使用できる部品と最終製品で使用できる部品の違いということなのです。
初めから、すべての性能試験をクリアするように部品を製造するということなのです。
3Dプリンタで部品や最終製品を造形し、その部品のUL認定を目指す製造メーカーは、材料だけでなく、その材料の使用が認定されている3Dプリンタについても考慮する必要があります。
認定材料の使用が認定されていないプリンタを使用すると、その部品はUL認定の対象ではなくなります。これは、プリンタの性能、設定、機能が、安全性やUL規格への準拠など、造形された部品の最終的な特性に影響を及ぼす可能性があるためです。
Loctite® 3955 FSTは、Origin Oneプリンタでの使用について、ULからBlue Card®認定を受けています。Loctite® 3D 3955 FST材料は、Origin® Oneで造形すると、2×10秒間の垂直燃焼試験およびFST規格(AirBus社のAITM2-0002、AITM2-0007、AITM3-0005)に合格します。さらなる材料試験を行う必要がないため、部品や最終製品のUL認定取得がより迅速、簡単かつ安価になります。
Loctite® 3D 3955 FSTは、Henkel社の革新的なハロゲンフリーの難燃性材料であり、航空宇宙、自動車、工業、および消費財産業の非常に厳しい安全要件を満たしています。
このUL 94 V-0認定の樹脂は耐薬品性に優れ、きわめて高い熱偏向温度(HDT)により、過酷な環境下でも変形はほとんどありません。この材料は高い弾性率を示し、優れた曲げおよび引張物理的特性を備えています。
3955 FSTはハロゲンフリーでFST認定を取得している
3955 FSTは優れた耐薬品性を備えている
3955 FSTは低ガス放出認定を受けている
3955 FSTは80°Cに予熱し、60°Cで造形する必要がある
3995 FSTはUL94 V-0の可燃性定格であり、最高300℃までの温度範囲で使用可能
3955 FSTは加熱チャンバーを備えたDLP方式プリンタで最適に造形できるように配合されている(LCDプリンタには推奨されない)
Origin Oneは、完全に加熱された造形チャンバーと加熱式ガラスインターフェイスを備えており、60°Cまで加熱します。これは、材料を必要な温度まで加熱し、性能と品質の問題を回避するために必要です。
Origin Oneの特殊な空気圧分離技術により、硬化層を簡単に剥離できるため、造形時の変形を回避し、サポートの必要性を減らすことができます。
Origin Oneは、ハイエンドのプロジェクターと高精度のリニアドライブにより、再現性のある精度の高い造形を確実に実現します。
特定の樹脂材料と3Dプリンタの組み合わせのFSTコンポーネントに対する適合性は、アプリケーション固有の要件、業界標準、認定に基づいて異なる可能性があることに注意することが重要です。綿密な調査の実施、材料メーカーやプリンタメーカーとの相談、適切な試験と検証の実施は、選択した組み合わせが必要な火災安全および規制要件を満たしていることを確認するために重要なステップです。
Stress Engineering ServicesとnTopologyは、Stratasys Origin OneでLoctite® 3D 3955 FSTを使用して造形されたF-16航空機で使用される最適化された油圧ラインクランプで、米国空軍のイノベーションコンペティションで1位を獲得しました。
毎日設計を繰り返し、プロトタイプを作成し、代替設計をテストすることで、チームはわずか2週間で、厳しい耐空性要件を満たし、軽量で製造効率が高い、3Dプリンタによる部品を完成させました。
この事例では、Origin Oneは24分で54個のクランプハーフを製造することができました。1,296個のクランプハーフを1台のプリンタを使用して1日で造形し、造形バッチの後処理は約20分で完了しました。